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第64回カンダハー大会ダウンヒル

第64回カンダハー大会のダウンヒルは、ハンネス・ライヒェルト(オーストリア)が優勝し、今季初勝利、通算12回めのワールドカップ優勝を記録しました。2位は好調ペーター・フィル(イタリア)。昨日の3位に続き2戦連続の表彰台で、種目別ランキングトップに返り咲きました。3位にはベアト・フォイツ(スイス)が入りました。 以下、レース後の3人のインタビューです。

1番スタートで滑り、そのまま誰にも抜かれなかったハンネス・ライヒェルト Photo:Gio Auletta/Pentaphoto

優勝:ハンネス・ライヒェルト(オーストリア) ―― 今季初優勝おめでとう。 最高にハッピーだ。ここまでつらい時期を過ごしてきたからね。とくに9月に腰を手術してからは、本調子に戻すのがとても大変だった。先週のキッツビュールあたりから少しずつ良くなってきたけど、ハーネンカム大会では技術的なミスが多くてチャンスをつかめなかった。 ―― 今日のコースコンディションはどうだった? 昨日は誰もが危険過ぎると言っていたけど。 僕もそう思うよ。全体的にバンピーだったし、クランマー・ジャンプが大きすぎてとても危険だった。それと問題だったのは、コースの中盤過ぎから雪質ががらっと変わったことだ。GSコースに沿ってインジェクションが入っていたので、アグレッシブな部分とアイスバーンが混在していて、スキーのセットアップに苦労した。もちろん技術的にもね。コースを固めるなら、全部を同じ状態してほしいと思うよ。

(注・クランマージャンプ:コース終盤にあるジャンプ。飛距離が長いうえに左へターンしながら飛び出すので、スキーの方向付けが正確でないと着地した時点でコースアウトしてしまうという難所。前日はスティーヴン・ナイマンが大クラッシュして病院送りとなった) ―― キッツビュールではあれほど難しいコースなのに今季は誰もひどい怪我をしなかった。それに比べて、ここガルミッシュでは多くの負傷者が出てしまった。その原因は? ここでの最初のトレーニングランではスピードもそれほど出なかったし、難しいコースとは感じなかった。僕だけでなく皆がそう感じていたはずだ。それがレースになっていきなりスピードが上ったことで、多くの選手が対応しきれなくなったのだと思う。もうひとつの要因は視界だ。ここはほとんどが林間で日が当たらない。フラットなライトで雪面の状況が見づらいのだ。だからインスペクションをしても、小さな波までは把握できなかった。 ―― 今日の勝利で世界選手権に向けてよいきっかけになったのでは? そうだね。少しずつだけど良い方向に進んでいるので、自信も取り戻している。世界選手権が楽しみだよ。


チェティル・ヤンスルッドからレッドビブを奪還したペーター・フィル Photo:Gio Auletta/Pentaphoto

2位 ペーター・フィル(イタリア)

―― 今季3度目の表彰台おめでとう。ダウンヒルのタイトル防衛に向けて好調だね。

今のところうまく行っている。2戦連続の表彰台はとても満足だ。簡単なコースではなかったがうまく攻略できた。失敗はなかったし、もう少しで優勝だったけど2位でもとても嬉しい。 ―― 昨日と今日の違いは?

唯一最大の違いはクランマー・ジャンプの飛び出しが少し削られたので、ジャンプが低くなった。今日は怪我人もいなかったし、天気もよく素晴らしい1日だった。昨日はひどかったけどね。 ―― 昨日のレースについて

トレーニングランよりスピードが上って、しかもレースともなれば選手はみんな限界まで攻める。クランマー・ジャンプは飛びすぎだし、誰にとってもとても難しかった。僕自身は経験もあるから何とか対処できたけど、若い選手たちには少し難しすぎたと思う。 ―― ダウンヒルの種目別ランキングでトップに立った。レッドビブをとりかえしたことも大きのでは?

大切なのは、シーズンが終わったときにレッドビブを着けていられるかどうかだ。今はまだそのことを考える時期ではない ―― チェティル・ヤンスルッドとの激戦だね もちろん、彼はいつも速いし強敵だ。彼のホームコースのクヴィットフェルで2レース残っているから、そこは彼にとっての大きなアドバンテージになる。タイトル防衛は簡単なことではないと思うけど、何とか耐えて、最後まで首位の座を守り通すつもりだ。 ―― 世界選手権が近づいてきたけど、サン・モリッツは君にとって幸運の場所だ。 ああ、サン・モリッツには良い印象を持っているよ。昨シーズン、初の種目別タイトルを決め、クリスタルグローブを手にした場所。今度の世界選手権でも良い滑りができると信じている。 ―― 今季は前半天候のせいでダウンヒルが何レースもキャンセルされ、スピード系の選手には厳しい状況だったのでは? そうだね。はるばる北米まで行ったのに1レースもできなかった。ヨーロッパに戻ってからもヴァル・ディゼール、ヴァル・ガルディナは良かったけれど、サンタ・カテリーナ、ウェンゲンとまたまた中止。これで世界選手権に向かうわけだけど、良い条件で戦えるといいね。 ―― 君はこれまでテクニカルなダウンヒルに強いレーサーだったけれど、今季は幅が広がったように思う。 コースが難しくなればなるほど自信はあるが、今はどんなコースでも速く滑れる。


ベアト・フォイツは3位入賞。ダウンヒルでは今季初の表彰台だ Photo:Gio Auletta/Pentaphoto

3位 ベアト・フォイツ(スイス)


―― 今日のレースについて 楽しかった。会場の雰囲気も最高に良かったし。 ―― コース状況はどうだった? 僕にとって、ガルミッシュのダウンヒルが簡単だったことは一度もない。昨日よりは今日の方がコース状況は良くなっていた。ジャンプの飛距離が抑えられたから、それは良かったと思う。 ―― サン・モリッツ世界選手権に向けて 自国開催での世界選手権は、とても楽しみだ。今季最高の目標だし、そこで活躍することを誰もが夢見る大きな舞台だ。ライバルはたくさんいるけれど、精一杯頑張りたい。


(インタビュー:パトリック・ラング 取材協力:内田雪)





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