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フィッシャースキーの2018/19シーズンのラインアップには、

カタログには掲載されていない日本限定モデルが存在する。

【RC4 W.C. RC + カーブブースター】と【RC4 W.C. SC Yellow Base+ カーブブースター】の2機種で、

対象はエキスパートスキーヤー。

さらに限定すれば、スキー技術選手権をめざすコアな基礎スキーヤーに向けてリリースされたモデルである。

このスペシャルな日本限定モデルは、一体何が特別で

どんな高性能に仕上がっているのだろうか?

「従来のフィッシャースキーのラインアップでは、レーシングモデルとエキスパートモデル(デモ用スキー)との間のギャップが少し大きいのではないかと感じていました。レーシングモデルを選ぶのには少し抵抗があるけれど、でももう少しハイパフォーマンスなスキーが欲しい。ユーザーの間にそんな声が根強くあったのです。そこで両者の隙間を埋めるスキーが作れないかと模索し、フィッシャー本社の開発スタッフとも交渉しました。何度もミーティングを重ね、実走テストを経て誕生したのが【RC4 W.C. RC + カーブブースター】【RC4 W.C. SC Yellow Base+ カーブブースター】の2機種です」(堀川弘晃氏/㈱ゴールドウイン フィッシャー事業グループ)

背景には、日本のマーケット特有の事情、つまり、スキー技術選手権というコンペティションが存在し、多くのエキスパートスキーヤーがそこでの頂点を目指して技を磨く、という世界にあまり例のない状況がある。もちろんカタログ掲載モデル、たとえば【RC4 THE CURV CURV BOOSTER 】などでも一般的な意味では充分に高性能なスキーと言える。だが、ハードでシビアなスキーをめざす層のスキーヤーには、さらに高性能のスキーを求める需要があるのだ。

そして、本社開発スタッフとの度重なる議論を通じて得られたのが、レーシングモデルのプレートを移植するというアイディア。レースでの使用を前提に開発された“カーブブースター”と呼ぶプレートを、デモ用の最上級機種に装着することで、さらに強力なエッジグリップとターンの抜けの良さを実現することを確認したのだ。


具体的には、カタログ掲載モデル【RC4 W.C. RC】と【RC4 W.C. SC Yellow Base】にレース用の“カーブブースター”を装着。“カーブブースター”とは、フィッシャーのワールドカップ選手が使用している競技用プレートのことで、トウ側が厚く設計されていることで、トップが雪面を捉えやすく、したがってターン導入が容易になるというもの。表面のカバーを、ABSタイプ、アルミタイプ、アルミのロングタイプなどと交換でき、スキーヤーが求める様々なセッティング(操作性重視、安定性重視など)に対応するのも大きな特徴だ。

 

この両モデルはレース用のセカンドモデル、あるいはデモの大回り種目(RC)、小回り種目(SC)を主な対象に作られたスキーだが、そこに“カーブブースター”を付けることで、操作性の良さと、レーシングモデルに近い切れと加速を高いレベルで両立させたわけである。


「特に足元の剛性を高め、アイスバーンなど厳しい条件下でのグリップ性能が向上しました」と堀川氏。また昨秋、オーストリアの氷河スキー場で両モデルのテストを行なったフィッシャーデモチームのふたりは、次のように評価する。

テスターのインプレッション①

高瀬慎一(フィッシャー・デモチーム)


【RC4 W.C. RC + カーブブースター】
レーストラックプレートよりも反応が良く、綺麗にたわむ感覚があります。
また、ターン後半のグリップ感もアップします。
ワールドカップGSの一つ下のモデルとして、技術選の予選突破をめざすスキーヤーに最適。このレベルなら女性スキーヤーでも乗りこなせるでしょう。

【RC4 W.C. SC Yellow Base+ カーブブースター】
ノーマルのレーストラックプレートよりも、足元のグリップ感がアップします。レーストラックはきれいにたわむ感じですが、カーブブースターは角付けの早さと、後半のグリップ感が良い感じです。
一方レーシングモデルの【RC4 W.C. SL】との比較では、回転性能の良さを感じます。より楽にターンに入れるので、SLより操作しやすいですね。技術選をめざす女子選手にもピッタリのスキーです。

日本向けモデルのテスターとして豊富な経験を持つ高瀬慎一

テスターのインプレッション②

吉田勝大(SAJデモンストレーター)


【RC4 W.C. RC + カーブブースター】  カタログモデルの【RC】よりも、たわみを自然に引き出せるようになった印象を受けます。プライズテストに大回り用のスキーを探している方には特におすすめで、非常に扱いやすいスキーといえるでしょう。
【RC4 W.C. SC Yellow Base+ カーブブースター】  プレートの変更により、足元の安定感が増した印象です。従来の扱いやすさに加え、ハイスピード時における雪面とのグリップ力が増したため、これまで以上に上級者にも満足してもらえる一台と言えるでしょう。技術選での使用にもおすすめです。

氷河でのテストには初参加の吉田勝大。トレーニングを兼ね精力的に滑り込んだ

ふたりとも、“カーブブースター”の効果として、ターン始動時の雪面コンタクト、ハイスピード時の安定性に加えて、ズレとキレのコントロールを容易に行える操作性の良さを強調。幅広い対象者におすすめできるスキーだと口を揃える。

こうしたテスト結果を受けて、フィッシャー本社でもこのセットアップの採用を検討。次の次の冬、つまり2019/20シーズンには、この日本限定モデルがグローバルなモデルとして登場するかもしれない。

 

日本では、それに先立ち来季に向けて限定販売。カタログには掲載されないものの、大回り用の【RC4 W.C. RC+カーブブースター】を50台、小回り用の【RC4 W.C. SC Yellow Base+カーブブースター】150台を日本市場に投入する。
 

購入者には、“カーブブースター”のプレートを買い足してもらい、それをカタログモデルのプレートと換装することで対応。ビンディングもレールタイプから直付けタイプに変更となる。価格的にはプレートに12,000円、ビンディングに7,000円のコストが余計にかかるが、それだけの価値はあるとフィッシャーでは自負する。

カーブブースター装着モデルを実走テスト。この段階では、コスメティックは白一色だった。高評価を得たことで限定モデルとしての販売が決定した

ベースモデルとなる【RC4 W.C. RC】
ベースモデルとなる【RC4 W.C. SC YELLOW BASE】

発売時期、取扱店舗等は現在開催中の早期受注会で、小売店担当者へ問い合わせ

フィッシャーのHPでは、「FISCHER SKI TV」と題し、2018/19モデルのインプレッションを公開中。フィッシャーデモチームの高瀬慎一、大場朱莉による試乗風景をムービーで見ることができる。
今回紹介した【RC4 W.C. RC + カーブブースター】【RC4 W.C. SC Yellow Base+ カーブブースター】のインプレッションもあるので、要チェック

「FISCHER SKI TV」

http://www.goldwin.co.jp/fischer/alpine/fischerski-tv.html

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