© 2023 by Name of Site. Proudly created with Wix.com

  • Facebook App Icon
  • Twitter App Icon
  • Google+ App Icon
女子スラローム最終戦(2016年3月19日 サンモリッツ/スイス)

ハンスドッター激戦を制し初のスラローム女王に輝く

またしても快晴のサン・モリッツ。日が出てから沈むまで、空には一片の雲も浮かばなかった。明け方、マイナス20度近くまで下がった気温は、昼前にはプラス10度まで上がったが、入念に作られたコースは最後まで公平さを保った。

土曜日、ヨーロッパのレースではもっとも観客の多い日だ。正確な入場者数は発表されなかったが、素晴らしい天気にも誘われて、多くの人がワールドカップ・ファイナルの観戦に訪れた。行なわれたのは女子スラロームと男子ジャイアント・スラローム。隣り合うコースを使うがゴールは同じ。女子スラローム1本目、男子GS1本目、女子スラローム2本目、男子GS2本目と交互にスタートする。1日で2種目のレースが見られるし、しかも出場するのは、種目別ランキング上位25人という厳しい条件をクリアしたトップレーサーばかり。観客にとってはとってもお得な大会だが、われわれカメラマンは大忙しだ。

最終戦を制したのはミカエラ・シフリン。怪我からの復帰後も相変わらずの強さをみせつけ、2位以下に大差をつけて優勝した

 女子スラロームの1本目は、午前8時半に始まった。ベストタイムを取ったのは、ミカエラ・シフリン(アメリカ)。2位のナスタシア・ノーン(フランス)に0秒72の大差をつけて悠々とトップに立った。12月半ばに右膝の側副靭帯損傷という怪我でワールドカップを離れていたが、約2カ月間の休養とリハビリを経てクラン・モンタナのスラロームからレースに復帰。その初戦でいきなり優勝というセンセーショナルなカムバックを果たしている。さらにヤスナでも優勝し、出場したスラロームでは、ワールドカップ、世界選手権を含め昨シーズンから7連勝中だ。もはや怪我の影響など微塵も感じさせず、この日も、力の差を見せつけてライバルたちを圧倒した。

シフリンは2本目も完璧な滑りでベストタイム。2本合計で2位ヴェロニカ・ヴェレズ・ズズロヴァ(スロヴァキア)を2秒03もぶっちぎる圧勝である。

「GSはまだ本調子ではないけれど、スラロームは大丈夫。今日の滑りにはとても満足しているし、来シーズンに向けてさらにレベルを上げていきたい」とシフリン。2本目のゴールでは、圧勝にも関わらずかつてのように感情をストレートに表すようなことはせず、静かに勝利を噛みしめる姿が印象的だった。1週間前に21歳になったばかりのスラローム女王は、怪我を経てさらに一段高い次元に足を踏み入れたようだ。

通算の優勝回数3回に対して、2位は17回もあるハンスドッター。

報われることの少ないスキー人生だったが、30歳でついにタイトルをつかみとった

だが、2015/16シーズンの女子スラロームの種目別優勝は、スウェーデンのエース、フリーダ・ハンスドッターの手に渡った。スラローム11レースをすべて完走し、表彰台に立つこと8回。優勝こそリエンツの1レースのみだが、その安定感は群を抜いていた。シーズンを通してもっとも安定して強かったという意味で、チャンピオンの名に値する素晴らしい成績といえるだろう。

「言葉にならないくらいに嬉しい。スラロームのクリスタル・グローブを取ることをいつも夢見てきた。今日は本当に素晴らしい1日となった」と喜びを語るハンスドッター。ベテランらしい落ち着きで、つねにクールな印象を受ける彼女も、表彰式ではさすがに感極まり、涙をこらえることはできなかった。

今シーズンの優勝回数ではハンスドッターを上回ったズズロヴァだが、

安定感という点で及ばず、悲願のタイトルには手が届かなかった