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ワールドカップを去るティナ・マゼ

「もうトップレベルのレースを戦うエネルギーも(精神的な)スペースも残っていない」

そう語って、ティナ・マゼは現役レーサーとしてのキャリアを終えることを明らかにしました。2012/13シーズンのワールドカップ総合チャンピオンで、2414点という最多得点記録を持つティナ・マゼ。15歳の時に始まったワールドカップ生活は、実に17年に及び、心身ともにすべてを出し切っての現役引退です。

10月21日の夕方、会見会場のホテルには、大きな部屋が酸欠になりそうなくらい多くの関係者・友人・知人・報道陣が集まりました。そんななか、ティナは静かに淡々と引退の決心に至る経緯を説明。長い間彼女を支えてくれた多くの人たちへの感謝を表す一方、彼らからもたくさんのプレゼントを受けとるというとても心のこもった引退会見でした。 ただし、彼女のレースがもう2度と見られるわけではなく、年明け早々地元スロヴェニアのマリボールで行なわれるジャイアント・スラローム第6戦に1レース限定で出場するということです。これが正真正銘の最後のレース。しかも、よくある形式だけのサヨナラレースではなく、精一杯のパフォーマンスでファンとお別れをしたいということです。1月7日のマリボールには、おそらくかつてないくらいの観客がつめかけることでしょう。

私はこれまでに何度か彼女が涙を流す印象的なシーンをみたことがあります。ですからきっとこの会見でも、彼女の目から涙があふれるだろうと思いながらファインダーをのぞいていましたが、この日ティナはついに一度も泣くことはありませんでした。さすがに感極まった表情を見せることはあっても、一瞬の沈黙の後、笑顔を取り戻すのです。 頑固で奔放で率直。周囲を困らせることが多々ある一方で、それ以上に誰からも愛されたティナ・マゼ。そんな彼女らしい温かな会見でした。

現役最後のレースのために、ストックリから彼女の名前が入ったスペシャルなGSスキーが贈られました


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