top of page

女子アルペン・コンバインドはスイスのワンツー・フィニッシュ

女子アルペン・コンバインドは、地元のスイスがワン・ツー。週末を迎えたサン・モリッツの街は熱狂的な盛り上がりを見せたようです。アルペン・コンバインドとはダウンヒル(またはスーパーG)1本とスラローム1本の合計タイムで競う種目で、今回はダウンヒル+スラロームで行なわれました。 優勝はウェンディ・ホルデナー。ミッシェル・ギジンが2位に続き、3位にはオーストリアのベテラン、ミヒァエラ・キルヒガッサーが入りました。スイスは4位にもデニース・ファイアーアベントを送り込む充実ぶりでしたが、その一方でメダルが期待されていたララ・グートは、スラロームに向けたウォーミングアップ中に左膝を痛め、ヘリコプターで病院に運ばれました。前十字靭帯の断裂と半月板損傷の疑いがあり、彼女にとっての2017シーズンは終了です。

ホルデナーは、午前中のダウンヒルをトップのソフィア・ゴッジャ(イタリア)から0秒94差の7位で折り返し、後半のスラロームでセカンド・ベストタイムをマーク。合計ではギジンを100分の5秒差で逆転して、初の世界選手権金メダルをつかみ取りました。 スラロームをゴールした時点でキルヒガッサーを抜いてトップに立ったホルデナーですが、その差は0秒38。まだ6人が残っているだけに、なんとも微妙なタイム差。しかし、その後誰も彼女のタイムを上回ることができず優勝が決定。1本目(ダウンヒル)で2位につけていたイルカ・ストゥヘッツ(スロヴェニア)は3旗門目で転倒、トップだったゴッジャもスタート直後からまったくリズムに乗れず7旗門目でコースアウトというあっけない、しかし劇的な幕切れで、スイスのワンツー・フィニッシュが決まりました。


地元開催の世界選手権で親友同士がワンツー。ホルデナー(左)とギジンにとって最高の結果となった Pool Photo

「夢のような気分。スラロームでゴールした時点では、優勝できるとは思わなかった。でもミッシェルが滑り終えて、メダルは取れそうになってからは、残りの選手の滑りを祈るような気分で見ていた。金メダルだなんて今でも信じられない」とホルデナー。 2位のギジンは 「自信なんてなかったし、とても緊張した。昨夜はなかなか寝付けず、今朝も5時に目が覚めてしまった。今日起こったことは信じられない。ウェンディと一緒に表彰台に立てるなんて。ずうっとずうっと昔、まだジュニアの頃、そのとき初めて会ったウェンディと同じ表彰台に立ったことがある。それから私たちはずうっと一緒に戦ってきたので、今日の結果はとにかく最高」と興奮気味に語っています。


観衆の祝福に応える3人のメダリスト Pool Photo

さらに3位のキルヒガッサーも興奮が収まりません。 「クレイジー! ダウンヒルで出遅れてしまった(1秒33差の11位)ので、(スラロームで挽回するのは)難しいと思った。それにスラロームでも3,4旗門目で失敗をしたし…。でもそこからは、もうプッシュするしかない、と腹をくくって攻めた」とコメント。

悪天候のため、ダウンヒルのスタート位置が下がったことで、高速系を得意とする選手にとっては、やや不利になったように思います。イルカ・ストゥヘッツとソフィア・ゴッジャが相次いで失敗したのは、世界選手権特有の重圧ももちろんあったでしょうが、ダウンヒルでのリードを守らなければという意識が強すぎたのかもしれません。とくにストゥヘッツは、元ジュニア世界選手権のスラローム・チャンピオン。現在は高速系を中心に戦っていますが、スラロームの技術も高く、今季はマリボールのSLで10位に入っています。本来の滑りができていれば、当然メダル圏内だったはずですが、その本来の滑りがなかなかできない、というのも世界選手権の難しさなのでしょう。


それにしても残念なのは、ララ・グートの負傷です。スーパーGで銅メダルに終わったグートですが、この日のアルペン・コンバインドを含め、ダウンヒル、ジャイアント・スラロームでも金メダルが有力視されていただけに、本人、チーム、スイス国民にとって大きな衝撃となりました。そしてもちろん、ワールドカップ全体を考えても、彼女のようなスター選手の戦線離脱は(スター選手でなくても、ですが)残念なこと。改めてアルペンレースという競技の過酷さを思い知らされる結果となりました。



特集記事
最新記事
アーカイブ
タグから検索
まだタグはありません。
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page