ヴァル・ディゼールGSはパントュローが2連勝
ヴァル・ディゼールの男子ジャイアント・スラローム第2戦は、非常に厳しいレースでした。地形的にもワールドカップ有数の難しさ。加えて極端に硬くするコース作り。さらに昨日からの降雪で場所によって変化するコースコンディション。そして何より地形の難しさを利用したテクニカルなコースセット。これらの難題がすべてが束になって選手に襲いかかるのですから、たまりません。おそらく、このコースを気持ちよく滑った選手は、ひとりもいなかったのではないでしょうか。ラインを外しそうになり、バランスを崩しそうになりながら、何とかスキーをコントロールし、ゴールするのがやっとというのが間近で見ていた印象でした。

昨シーズンに続きヴァル・ディゼールGS2連勝のアレクシー・パントュロー
とくに難しかったのはコース中間付近の急斜面。右ターンから左ターンへの切替部に大きなうねりがあり、急激な斜度の変化にいかに対応してラインをキープするかが鍵となる部分でした。インスペクション時には、多くの選手が入念にチェック。とくにヒルシャーは10分近くを費やして、何度も登ったり下りたりしながらチェックしていたのが印象的でした。

2位はシュテファン・ルイツ。今季早くも2度目の表彰台
そんななか、トップ3はいずれもヴァル・ディゼールのGSコースを得意とする選手。当たり前かもしれませんが、得意不得意が結果にはっきりと表れたように思います。 優勝したアレクシー・パントュロー(フランス)は。昨シーズンに続き、2年連続の優勝。2位のシュテファン・ルイツ(ドイツ)は自身6度目の表彰台ですが、ヴァル・ディゼールGSでは3度目です。そして、過去にGS4勝SL1勝をこのコースで記録しているマルセル・ヒルシャー(オーストリア)は負傷明けにもかかわらず3位入賞。1本目はベストタイムでした。

1本目トップに立ったマルセル・ヒルシャー。2本目はフラッグを引っ掛けるミスもあり3位に下がった
対照的に、ヴァル・ディゼールGSを苦手としているのが、テッド・リガティ。過去に1度優勝しているものの「このコースはGS本来のスキーを滑らせながらのターンではなく、つねにコントロールしながら窮屈な滑りを要求される」と語ったこともあるように、あまり好きではないようです。1本目は30位ギリギリでかろうじて2本目に進出。合計タイムでは16位にまで順位を上げましたが、彼としては不本意なレースとなりました。とくに前述した1本目の難所では大きく飛ばされラインがあふれる致命的なミス。たまたま隣でビデオ撮影をしていたアメリカチームのコーチは、リガティのミスの瞬間、F●●K!と禁断の4文字言葉を発していました。 写真はその問題の箇所でのヒルシャー、パントュロー、リガティです。もちろんここだけでタイムが決まったわけではありませんが、選手によってさまざまな対応が見られて、とても興味深いレースでした。

1本目1位 マルセル・ヒルシャー

1本目3位 アレクシー・パントュロー

1本目30位 テッド・リガティ
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