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圧倒的存在感でスヴィンダールがヴァル・ガルディナDHを制す

 ヴァル・ガルディナでスーパーGとダウンヒル、そして峠を越えてアルタ・バディアでジャイアント・スラローム(GS)とパラレル・ジャイアント・スラローム(PGS)と男子ワールドカップのイタリアシリーズは佳境に入ってきました。  昨日のダウンヒル第3戦は、アクセル・ルンド・スヴィンダールとチェティル・ヤンスルッドの最強ノルウェーコンビがワンツー・フィニッシュを決め、3位にマックス・フランツが入るという結果でした。  スヴィンダールの滑りは圧巻でした。前夜からの冷え込みで硬く凍てついた3445mのコースをひとつのミスもなくカバー。故障明けとは思えない完璧なパフォーマンスを見せてくれました。ヴァル・ガルディナのワールドカップは、今年で50周年を迎えましたが、半世紀の節目にふさわしいダウンヒルだっといえるでしょう。  ワールドカップにデビューした当初は、技術系種目を中心に戦っていた彼が、初めて高速系のレースに出場したのが、ここヴァル・ガルディナです。56番でスタートしたスーパーGで6位、54番でスタートしたダウンヒルで27位と、まだ19歳だったスヴィンダールは大健闘。以来、多くのレ―スをここで戦いダウンヒルで2勝、スーパーGでは実に4勝をあげています。度重なる怪我に見舞われ、レースを離れる期間も長かったスヴィンダールですが、今季は見事な復活ぶり。この日の優勝で、ワールドカップ総合でもトップに立ちました。地元イタリア以外の選手で、もっとも大きな声援を受けたのが彼であることは、言うまでもありません。 「今週の前半までは調子が上がらず苦労したが、今日は最高の滑りだったと思う。ヴァル・ガルディナはワールドカップのダウンヒルのなかでも高速のコースで、息を抜けるところがひとつもない。ミスが許されないコースだ。とくに気をつけたのはジャンプの着地。雪が硬くなっていたので、スムーズに着地するため、空中でのバランスを保つことに注意した」と勝因を分析します。  ところで、その素晴らしい滑りとともに注目されたのが、ゴールエリアでスヴィンダールを待つ恋人の姿。ノルウェー出身のファッションモデルで、現在はニューヨークを本拠に活躍するギッタ・リルという女性です。前日のスーパーGでは9位に終わり、彼女を伴って悔しそうに会場を去っていきましたが、この日は優勝という最高のプレゼントを贈ったわけです。

スヴィンダールの新恋人ギッタ・リル

かつてスヴィンダールは、ワールドカップ・レーサー、ジュリア・マンキューゾ(アメリカ)と交際していました。ふたりの親密な姿が何度も目撃され、彼ら自身もSNSに公開してその相思相愛ぶりは、多くのファンに知られていましたが、2013年の秋に破局。そのときファンに向けてフェイスブックに投稿したスヴィンダールの別れの知らせは、なかなかの感動モノでした。https://www.facebook.com/AkselLundSvindalPage/posts/10151595288886993 今季、怪我から戻ってきたスヴィンダールは、そんな女性遍歴も含めても、他のレーサーとは別格の存在感を放っています。


スヴィンダールにとって、これがヴァル・ガルディナでは通算6度目の優勝となる


 スヴィンダールの4人後に滑ったヤンスルッドは、第1から第3中間計時まではすべてベストタイムをマーク。彼もこのコースを得意としており、逆転優勝かと思われましたが、終盤のジャンプの処理でわずかにタイムをロス。ゴールではスヴィンダールに0秒59、距離にして17.29mの及ばず2位に入りました。 「このコースはジャンプが多くて、大好きなコースだ。スタートでもとくに緊張はしなかった。3番スタートのアレクサンダー・オーモット・キルデからも、もちろん、アクセルからもアドバイズが上ってきた。勝負は中盤過ぎだと分かっていたけど、終盤わずかなミスで優勝を逃してしまった。でも、今日のアクセルには誰にも勝てないだろう」とスヴィンダールを称えました。

日本からは、須貝龍(チームクレブ)が出場。終盤の難所、スーパーG的なターンの続くチャスラトーと呼ばれるセクションの入り口でラインがあふれ、コースアウトに終わりました。ワールドカップ初出場から3シーズン目となる今季は、これまでのスポット参戦から本格的なシリーズ参戦へとステップアップ。ナショナルチームのメンバー外という厳しい環境ですが、久々の日本人ダウンヒラーとして少しずつ道を切り開いていっています。

難所のキャメルジャンプも無難にこなした須貝。最後の難関チャスラトーに入ってコースアウトに終わった


3位のマックス・フランツはスーパーGの2位に続き2日連続の表彰台

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