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五輪直前インタビューVol.2 安藤麻(東洋大学)


Q 全日本選手権のスラロームで優勝し、平昌五輪出場への切符をほぼ手中に収めましたが、最終的な選考期間は1月21日まで。それまでにワールドカップで20位以内を2回記録すれば、その選手が代表に決定するという状況でしたね。

安藤 そうなんです。ですから私自身その基準を満たして文句なしの代表になりたかった。ですから年明けから立て続けにワールドカップに出場し、7日間で4レースというタイトなスケジュールでした。


Q ザグレブ(クロアチア)でスラローム、クラニスカ・ゴーラ(スロヴェニア)でGSとスラローム、そしてフラッハウ(オーストリア)でスラローム。移動もあってきつかったのではないですか?

安藤 年が明けてからまったく抜くところがなく、つねに張り詰めていました。スキーの手入れも自分でやらなければいけなかったので、正直きつかったですね。でも、とりあえずフラッハウまでは全力で頑張ろうと思って、何とか乗り切りました。

Q 今シーズンは、GSの開幕戦(セルデン/オーストリア)で25位となって初のワールドカップポイント獲得。壁をひとつ破ったという印象があります。

安藤 最初にワールドカップの2本目に残るとしたらスラロームだと思っていたんです。秋のトレーニングのときから調子が良かったので、スラロームには自信もあったけど、GSで残ったのはちょっと意外。もちろんいつも2本目進出を狙っているんですけど。

Q GS開幕戦の25位には、視界不良のためにスタート位置が下がって急斜面から始まるという幸運もありましたね。あまり得意ではない緩斜面がカットされて、コースも短くなりました。

安藤 たしかにラッキーでした。でもそれだけに25位がまぐれだと思われたくなくて、レヴィのスラローム第1戦は空回りしてしまいました。2本目進出とという意識が強すぎて気負ったんでしょうね。その後もなかなか流れに乗れない時期が続いたんですけど、12月になって中国でのファーイースト・カップに出たことで少し落ち着けた。スケジュール的にはとても大変で、ヨーロッパ、アメリカ、中国、ヨーロッパと回ったので時差調整も難しく、自分は一体どこの時間帯で生きているんだろう? って(笑)



Q 昨年は、シーズン後半に体重がだいぶ落ちて滑りにも影響が出てしまったということですが、今シーズンはその点は大丈夫ですか?

安藤 今年はそうならないように気をつけています。どのレースに出るかはコーチと相談しながら決めていて、来シーズンのためにもスラロームのポイントをとっておく必要があるということで、当初は予定に入っていなかった中国のファーイースト・カップに急きょ行くことにしました。ただ、そのためにスケジュールがタイトになってしまい、このまま突っ走ったら体力的にちょっとやばいことになるという感じがしたので、クーシュヴェル(フランス)のレース(GSとパラレル・スラローム)はスキップしました。

Q そんなタイトなスケジュールの中で、1月はスラローム2レースで2本目に残りましたね。

安藤 フラッハウのスラロームはペトラ・ウルホヴァ(スロヴァキア)やウェンディ・ホルデナー(スイス)が1本目で途中棄権したこともあり、ラッキーな面もありました。でも去年まではそんな状況でも30位以内には入れなかったわけだから、少しは進歩しているのかな、という実感はあります。

Q 1本目30位以内に入ると、今度は2本目をどう戦うのかということになりますね。たとえば30位ギリギリで残ると2本目は1番スタートなので、けっこう慌ただしいんじゃないですか?

安藤 そうでもないですよ。でも1本目がギリギリのところだと、ゴールから動けないんですよ。後から来る選手に抜かされるんじゃないかと気になって。もう本当“お願い!!”という感じで、すごくドキドキしているんです(笑)

Q 今季は合計3レースで2本目に残り、そのすべてで2本目もゴールしていますね。落ち着いて滑れるようになったということでしょうか?

安藤 最初に残ったGS開幕戦のときは、すごく緊張しました。2本目もゴールしてまずはワールドカップ・ポイントを取りたいという気持ちもあったけれど、抑えて滑って30位という消極的なレースは絶対にしたくなかったし。でもクラニスカ・ゴーラ、フラッハウのときには、そんな余計なことは考えず、とにかく2本目を思い切り滑ろうと。ワールドカップで1番目に滑ることなんて、ふつうならないじゃないですか。思い切り攻めた結果が2本目の順位として残るわけだから、もし今の自分が早いスタート順で滑ったらどのくらいの位置にいるのかを試すチャンス。そう考えると、もう緊張なんてしなくなりましたね。



Q さてオリンピックがもう目前に迫ってきました。女子スラロームは14日に行なわれるので、実質あと10日。この10日間をどう過ごしますか?

安藤 去年サン・モリッツ世界選手権に初めて出場しましたが、世界選手権といっても戦うメンバーはいつもとほぼ一緒だし、コースだって特別に難しいわけではないので、ワールドカップと同じような雰囲気なのだろうな、と思ったんです。でも意外に、というか思ったよりもずっとずっと雰囲気に…

Q のまれた?

安藤 のまれました(笑)。でもそれはそれで良かったなと思っているんです。結果は自分が望んでいたものでは全然なかったのですが、あんなにのまれてしまうというのも、実際に出てみて初めてわかったわけだし、オリンピックの前にそれを経験できたのは、すごく良かったなと思います。

Q どんな気持ちでオリンピックのスタートに立つのでしょう?

安藤 やはりオリンピックは4年に1度で、そういうことって意識の中に刷り込まれているのできっと緊張するでしょうね。まあ、それはそれで仕方がないことだし、緊張は受け入れたうえで、トキったらトキッたで仕方ないくらいの気持ちで滑ろうと思っています。あんまり思い詰めず、ふだんと変わらない10日間を過ごすつもりでいます。

Q ここからは、本番でどれだけ良い状態でスタートするために、いろいろな要素を1個1個積み上げていく作業になると思いますが、あっ、これが足りないとか、やり残してしまったということはありませんか?

安藤 いえ、大丈夫です。やれることはすべてやり、自分なりに最高の良いレースにしたいと思います。

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