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リゼロー、ウォーレー、ロッカ。今週末は外国人レーサーの来日ラッシュ

今週末、野沢温泉にはフランスからふたりのワールドカップ・レーサーがやってくる。ジュリアン・リゼローとテッサ・ウォーレーだ。ともに長いキャリアを持つベテランで、リゼローはワールドカップ通算3勝のスラローマー、ウォーレーはワールドカップ12勝のGSスペシャリストだ。 ふたりとも、レーシングキャンプのゲストとしての来日。週末2日間、日本のスキーヤーと交流し、ワールドカップ直送の貴重なエッセンスを伝えてくれることだろう。 サロモンのレーシングキャンプにやってくるリゼロー。オーレ(スウェーデン)で行なわれたワールドカップ最終戦のときにも 「日本は大好きなんだ。友達もたくさんいるし、2年前のワールドカップ苗場大会でもとても楽しい経験をした。だからもう一度日本に行くチャンスはないかと思っていたら、日本のサロモンからオファーがあった。断る理由なんかないよね。今からとても楽しみにしているんだ」と語ってくれた。 「教えることも好きだよ。とくに子どもたちに自分の経験を伝えることは楽しい。地元(ラ・プラーニュ)のスキークラブでもキャンプをしたり、パラレル・レースを主催したり、様々な形で楽しい時間を共有している」 彼が言うように、日本に多くの友人を持つリゼローだが、なかでも佐々木明は大親友だ。 「日本に行くことが決まって、早速彼に連絡したんだ。でも残念ながらそのときは北海道で仕事らしいんだけど、チャンスがあれば、ぜひ彼にも会いたい」という。ワールドカップは終わっても、スキーテストなどレーサーにとってまだやるべきことは多い。キャンプのあとは日本で遊んでいきたいんだけど、あまりゆっくりする時間がないんだよ、と苦笑い。 そんな彼は、昨シーズンからこんなイベントを企画・主催している。

リゼローが自ら企画し主催する“スーパー・スラローム”のプロモーション映像

コースプロフィールが

全長4km 標高差 800m 旗門数 320 というクレイジーなスラローム。映像を見る限り真剣勝負というよりも、シーズン最後の最後を締めくくるファン・レースといったところだろう。

出場者は400人で、アレクシー・パントュロー、ジャン・バティスタ・グランジ、ヴィヴィクトール・ムッファ・ジャンデといったワールドカップ・レーサーや、1997シーズンのワールドカップ総合チャンピオンのリュック・アルファン(ダウンヒラーとしてはワールドカップ史上ただひとりの総合チャンピオン。引退後はラリー・ドライバーに転身し、パリ・ダカール・ラリーでも優勝している)らのレジェンドも出場。さらにはスキークロス、フリースタイル、フリーライドといった幅広いジャンルからゲストを呼んでおり、なかにはバイアスロンの選手もいるようだ。こうした豪華な顔ぶれからも、ジュリアン・リゼローがどんな存在のレーサーなのか想像できるだろう。

ちなみに昨年の第1回大会の上位はこんな感じだ。 男子 優勝 ヴィヴィクトール・ムッファ・ジャンデ(フランス) 4分11秒44 2位 ダニエル・ユール(スイス)4分12秒86 3位 クレモン・ノエル(フランス)4分13秒65 4位 ジャン・バティスタ・グランジ(フランス)4分16秒74 5位 ジュスタン・ムリジエ(スイス)4分18秒71 女子 優勝 フェデリカ・ブリニョーネ(イタリア)4分31秒52 2位 ミミ・ゴーティエ(フランス)4分48秒62 3位 タイナ・バリオ(フランス)4分48秒87 映像にもあるように、気が遠くなるようなハードなレースだが、ゴール後の選手たちがみんな笑顔なのが印象的だ。 さて、もうひとりのテッサ・ウォーレーだが、こちらもワールドカップを代表する人気レーサーのひとり。昨シーズンはワールドカップGS種目別チャンピオンに輝き、サン・モリッツ世界選手権でもGSの金メダルを獲得している。引続き好調の今季は優勝1回表彰台4回と活躍したが、種目別では惜しくも2位。最終戦が予定通りに行なわれていたら逆転のチャンスもあったのだが、嵐のために中止となってしまった。


昨シーズンはGSの種目別チャンピオンに輝いたテッサ・ウォーレー。今季も2位と健闘

彼女にとっては初の来日。毎年この時期に行なわれるグループ・ロシニョール スプリングフェスティバルへの招待で、初めて日本の土(と雪)を踏む。昨年はフリーダ・ハンスドッター(スウェーデン)、その前年はフェデリカ・ブリニョーネ(イタリア)がゲストとして招かれており、3年連続でトップ女子レーサーの来日となる。 オーレでは、残念ながら来日へのコメントを聞くことはできなかったが、きっと楽しみにしていることだろう。 というのも、実はウォーレーとリゼローのふたりはほとんど夫婦同然。ワールドカップでは誰もが知っている仲良しカップルなのだ。 今回の来日は、別々のルートからのアプローチだったようだが、ふたりにとっては最高のプレゼント。忙しいスケジュールのなかでのオファーを快く受けたのも、そんな理由もあるのだろう。 ともに行き先は野沢温泉。別々のイベントだがホテルは一緒になるのか? と聞くと 「どうだろう? でもどちらにしても野沢は小さな村だから、問題ないよ」と“日本通”のリゼロー。ふたりには野沢での滞在を、そして日本での時間を充分に楽しんで帰ってほしい。

今季最終戦チームイベント表彰式でのジュリアン・リゼローとテッサ・ウォーレー

さて、今週日本にやってくるワールドカップレーサー、フランスからのふたりだけではない。フェロートラベルの招きでイタリアからはジョルジオ・ロッカが来日、佐々木明と一緒に日本のスキーヤーと交流する http://www.fellow-travel.co.jp/news/news_fellow_cup2018furano.pdf ロッカは長年イタリアのエースとして活躍したスラローマー。2010年に引退するまでワールドカップで11勝を記録している。彼のワールドカップ初優勝は2003年1月のウェンゲン。そう、佐々木明が65番スタートから2位入賞という快挙を達成したあのレースで優勝したのが、ロッカだったのだ。しかも2本目の第2中間計時までは佐々木が100分の8秒リードしていたが、そこからゴールまでのわずかな区間でロッカが逆転という展開のレースだった。結局わずか100分の4秒という僅差で佐々木明は日本選手として初の優勝を逃し、ロッカは彼自身初めての勝利を手にしたのだ。

15年前のウェンゲン。佐々木は初のワールドカップ表彰台。ロッカは初の優勝だった

フェロートラベルはこれまでにもロッカを招いてツアーを行っているが、今回は佐々木との競演という豪華なイベントが実現した。ともにレーサーとしてのキャリアは終えているが、レースへの情熱は未だ熱い。 オールマウンテンスキーヤーとして、ジャンルを超えた幅広い活動を続けている佐々木だが、本籍はアルペンレースにある。今でも忙しいスケジュールを縫ってレースのトレーニングを行っているようだ。もちろんロッカも同様で、マドンナ・ディ・カンピリオで行なわれるワールドカップ・スラロームでは、毎年前走を務めている。そんなふたりがコラボレートしてのこのイベント。きっと15年前のあの日のことを思い出し、熱く語り合うことだろう。ちょっと聞いてみたい気がする。

ロッカは、今季のマドンナ・ディ・カンピリオでも前走Aで登場した


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