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FIS ジャーナリスト・アワード

賞とかメダルとは、まったく無縁に生きてきた私が、 国際スキー連盟(FIS)から2017/18シーズンのFISジャーナリスト・アワードを受けることになりました。アルペン競技に限らずスキー全般の報道に携わる人間の中から、毎年1~2名が選ばれるアワード、今年は㈱アフロ代表の青木紘二さんとともに私の名前があがったようです。日本人としては2012年の志賀仁郎さん(故人)、薬師洋行さんに続く3、4人目の受賞となります。


過去の受賞者の顔ぶれから推測するに、これまでの功績を称える功労賞という意味合いが強いFISジャーナリストアワードですが、私自身はただアルペンスキーの周辺を右往左往していただけで、とてもそれに値するとは思えません。 たとえば青木さんは、ご自身がスポーツ写真家であると同時に日本でもっとも有名なフォトエージェンシーを興した方。テレビなどで「アフロ」というクレジット表示はすっかりおなじみとなりました。 受賞者リストには、他にも各国の有名なテレビコメンテーターやジャーナリスト、スキー写真の巨匠たちの名前が並び、そこに私が連なることには強い違和感を抱かない訳にはいきません。でもまあ、四の五の言わずに、この際いただけるものは素直にいただくことにいたしました。ただし、過去の実績に対してというよりも、今後もこの仕事をやり続けることへの奨励賞あるいは新人賞だと思い、謹んでお受けすることにしました。

かつては編集部員として勤務し、そして最近に至るまではフリーランスとしてお世話になっていた『月刊スキージャーナル』が消滅してしまった冬にこんな賞をいただくことになったのは、何とも皮肉なことです。これも人生のなかのひとつの区切りというとことなのでしょうか。 自分の仕事にただひとつ誇れることがあるとすれば、写真と文の両方をひとりでまかなっていることです。もともとは編集者とライターを兼ねたような仕事をしていましたが、20年前フリーランスになるにあたって、それだけでは食えない状況があり、写真にも手を出したのがきっかけです。 こういう取材スタイルは、日本の弱小雑誌などではまれにあることなのですが、記事を書く人間は写真を撮らず、カメラマンが仕事として字を書くことなどない欧米では極めて珍しいらしく、さっきまでコースで滑りの写真を撮っていた私が、レース後には記者会見場に座っていることに奇異の目を向けられたこともしばしばでした。おかげで朝から深夜までやるべき仕事は山積し、とくに雑誌の締め切り時には一睡もせずに早朝からコースに上がることもあり、まさにひとりブラック企業。年齢のことを考えれば、もう少し余裕をもってスマートに仕事をしたいところですが、こればかりはどうしようもありません。地を這うようなそんな私の仕事を見て、FISに推薦してくださった関係者の方に感謝したいと思います。それと、もちろん読者の方々にも。SNS等で寄せられる皆さんの応援にはいつも励まされ、もう少し頑張ろうと元気づけられています。 そして、おそらくこの文章を目にすることはないでしょうが、家族の皆にもありがとうと言わなければなりません。ほとんど儲かりもしない仕事なのに、冬から春にかけて家を空けることを許してくれていることには、本当に感謝しています。

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