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男子ジャイアント・スラローム第4戦(2016年12月18日 アルタ・バディア/イタリア)

有数のGS難コース“グランリサ”で日本選手が健闘

午前9時半、各国の大きな国旗を持った子どもたちのデモ滑走があった後、1本目の競技開始。残念ながらその中に日の丸はありませんでしたが、しかし日本の2選手はしっかりと存在を主張したと思います。
成田秀将(トップチームウイーン)と小山陽平(双葉高校)がともに完走。アデルボーデンと並ぶGS難コースとして名高いアルタ・バディアの“グランリサ”を舞台によく戦いました。


65番スタートの成田は、1本目トップのマルセル・ヒルシャーに5秒50遅れの50位。残念ながら2本目に進むことはできませんでしたが、ある程度の手応えはつかむことができたようです。
「今季のワールドカップ4レース目で初めてゴールできてほっとしている。攻めるところと確実に行くところ、しっかりみきわめてコントロールすることを課題に滑ったが、それはできたと思う。このコースは大きな方向転換が5つも6つもあって、そこをいかにスムーズにつなげるかがポイウント。ゴール前の中斜面に出てくる最後のカーブだけはミスしたが、その他はイメージ通りの滑りができた。今年はスキーのチューンナップも自分でやっていて、その技術も少しずつ上ってきたので、スキーも切れるようになった。これからGSのトレーニングを増やしていけば、タイム差はもっと詰められると思う」

成田秀将は1本目50位。3レース連続の途中棄権の後、今季のワールドカップで初めた完走した

一方、68番スタートの小山は6秒46遅れの54位。スタート直後、急斜面へと落ち込む最初の右急カーブで一瞬尻もちをつきかける失敗をしましたが、すばやく立ち上がり、その後はしっかりと滑りきりました。
「多くの人から聞かされていたけれど、コースの難しさは感じた。これがワールドカップなんだと。やはり国内レースはもちろん、海外でもFISレースのレベルとはまったく違った。1分20秒以上も滑ると、ゴール前はやっぱりよれた。今は新しい経験ばかりで、毎日大変だけどそれだけにやりがいもあって楽しい。ヨーロッパカップでは、せっかくメンバーに選ばれたのに2レースとも片反してしまい、申し訳なく感じていたので、今日は完走できて本当に良かった。滑りについてはまだまだで、納得できるターンはほんの数ターンしかなかった。もっともっと練習して、とにかく自分のレベルを上げていきたいと思う」と語りました。

 

表情は明るく、充実感も感じられました。完走できてほっとした、というのは本音なのでしょう。
18歳の高校3年生にとって、これがワールドカップのデビュー戦。今季はヨーロッパカップを2レース経験していますが、いずれもスラロームだったので、GSとしてはFISレースからヨーロッパカップを飛び越えていきなりのワールドカップだったわけです。昨夜はぐっすりと眠り寝覚めも爽快。変な緊張感はまったくなかったようです。
今後はオーストリアでFISレースに2戦出場してから
帰国。年明けからのスケジュールはまだ流動的だということです。

ヨーロッパカップ初出場に続き、ワールドカップデビューの小山陽平。難コースに果敢に挑み、見事完走した。

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