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特別企画

表彰台に上がるためのブーツ 

フィッシャー『RC4 Podium』の実力

協力:株式会社ゴールドウイン フィッシャー事業部

3年の開発期間を経て、昨年春にリリースされたフィッシャーのレーシングブーツ『RC4 PODIUM』。

PODIUM(ポディウム)とは、英語で表彰台という意味だ。

レースに勝利し、表彰台に上がるため、ブーツに求められる性能とは何か?

そんなテーマを徹底的に追求して開発された自信作が、このモデルである。

来る2018/19シーズンに向けて継続販売されることからも、

このブーツに対するフィッシャーの自信の深さがうかがえるといえるだろう。

2年目を迎えたリアル・レーシンブブーツ『RC4 PODIUM』。

その実力を探ってみよう。

フィッシャー社の説明によれば、『RC4ポディウム』誕生の背景には次のような理由があるという。
① トップレーサーたちからの要望
② 新しいモールド(金型)の必要性
③ FISルールの変更
④ 品質のさらなる向上

 

これらの要素を、最高レベルで実現し、ワールドカップでの表彰台を狙う。その一点のみが、このシリーズのめざすべきイメージだったのだ。
 

したがって、開発に当たってはレーシングブーツとしての究極の形を求め、レースで勝つことだけに機能を絞った。“レーシング的な”ではなく、“リアルレーシング”なブーツである。


他の多くのメーカーがそうであるように、フィッシャーもトップレーサー用のブーツは完全なカスタマイズモデルである。熟練のマイスターが、選手ひとり一人の骨格的特徴や好みに合わせてオリジナルのブーツを作り上げていく。完璧なフィット、完璧なセッティング。最高峰の戦いで勝利しようとするなら、それらは絶対に必要な工程である。『RC4ポディウム』は、市販モデルでありながら、そうしたオリジナルモデルと同等の機能を搭載したリアルレーシング・ブーツをめざしたという。

 

フィッシャーブーツ開発ディレクターのインタビュー

シリーズを通してのテーマは「コントロール・ザ・レース」。「レースを支配しろ」、あるいは「レースの主役たれ!」という意味だろう。いずれにしても勝利に対する強い意志がそこに込められているのだ。そして、それを実現するためのポイントとして、フィット、ステアリング、コントロールという3つの要素を重視。それぞれに最高峰のテクノロジーが投入されている。


フィット性に関しては、快適さはもちろん、いかに乗り手の操作を的確に伝えるかを追求し、シェルとインナーを一新。とくにインナーには随所に工夫が見られ、本皮、高級人工皮革アルカンターラ、ネオプレーンといった素材を効果的に組合わせて乗り手の意志をダイレクトにスキーに伝える設計となっている。AFZ(アクティブ・フィット・ゾーン)ライナーと呼ぶこのインナーブーツには縫い目がないので、タイトなフィット感にも関わらず、不快なゴワゴワや当たりとは、ほぼ無縁だ。よりダイレクトなパワー伝達のため、シェル自体は92ミリという非常に狭いラスト(ブーツ内部の一番幅の広い部分)が採用されているのだが、けっして快適性が犠牲になっていない点にも注目したい。

インナーブーツには、必要な場所を必要な硬さでサポートするAFZ(アクティブ・フィット・ゾーン)を採用した

2点目のステアリングとは、舵取り、またはその装置のこと。行きたいときに行きたい方向にスキーを操る性能と言ってもよいだろう。『RC4ポディウム』では、従来のシェルを見直し形状を一新。前後左右だけでなく斜め方向にも立体的に調整できる3Dカフを採用することで、カントをプラス側に3度、マイナス側にも3度、それぞれ動かすことができるようになった。

 

カント調節(カンティング)には下肢の骨格や、スキーの挙動を正しく把握することなどが前提となり、むやみにセッティングをいじることは逆効果にもなりかねないシビアな問題だ。『RC4ポディウム』の大きな特徴は、従来“削ったり貼り付けたり”といったシェルの加工で行っていたカンティングという作業を、パーツの交換によって可能にしたこと。0.5度刻みでセッティングを出せるので、自分の骨格や好みに合わないと感じたときには、いつでも元に戻せるし、あるいは調整幅を変えることも容易にできる。これまではある種“職人技”であった精密なカンティングのハードルを大幅に下げるこことにもつながっている。


 

『RC4ポディウム』の大きな特徴はカンティングとアッパーカフのローテーションが同時に可能な3Dカフの機能だ

また、シェルの内側のシェイプがかなり直線的なのも特徴的。これによって深いエッジングでもブーツが雪面に干渉することが少ない。計算上では83度までのエッジング角が可能。ターンの際、ブーツの内側が雪面にぶつかって足元をすくわれるというのは、レーサーにとってとても悔しいミスだ。思い切って倒し込みたいが、ブーツがぶつかることが怖くてことができないというジレンマが軽減されるのは、大きなメリットと言えるだろう。

最後のコントロールに関しては、レースフレックス・コントロールという視点で、シェルの設計が見直された。ワールドカップレーサーのカスタマイズをベースに、シェル各部の厚みを徹底的に検証。どこにどのような強度をもたせ、あるいは柔軟性を確保するかを再設計した。シェルが歪むことなくスキーヤーのパワーをもっとも効率的にスキーに伝えるセッティングを実現したわけである。

シェル形状の見直しでより深く倒し込むことが可能になった

テスターのインプレッション①

高瀬慎一(フィッシャー・デモチーム)

サイドのカント調整は、他メーカーのブーツ同様に、きちんと膝が前に動くようにセッティングすればいいと思います。
僕は、ノーマルよりも一段起こした方が良いフィーリングでした。
アッパーの向きの変更は、サイドカントをきちんと合わせてからの調整になると思います。
 

<アッパーカフを外向きにセット>
ターン前半のとらえが、良くなります。
GSや、フリーのロングターンではいいかもしれません。
スラロームでは、エッジのかかりが早くなるので、スピードセットにはうまく対応すると思うのですが、近年のふり幅のある細かいセットには、少しリスクがあるでしょう。

技術選での使用を想定すると、ショートターンでのずらし、不整地は滑りにくい気がします。
ただ、一般の方で外脚にうまく乗れない方には、外向きにセットする方法がいいかもしれません。

 

<アッパーカフを内向きにセット>
私の感覚では、基本的にはこのセッティングはないと思いますが、内股気味の人にはサイドカント調整と合わせてセッティングすると効果があるかもしれません。

 

   セルデンの氷河を滑る高瀬慎一。テストパイロットとしての経験も豊富なベテランスキーヤーだ

スキーテストの合間にレストハウスでブーツのセッティングを変える。作業時間は5分程度だ

テスターのインプレッション②

吉田勝大(SAJデモンストレーター)

『RC4ポディウム』の3Dカフは、従来のブーツには無い可能性を秘めていると思います。カンティングのパーツを使用することで、体型や骨格に合わせてブーツを正確にカスタマイズすることができ、これにアッパーシェルのローテーションを加えることで、膝の入る方向までを調整することが可能になるからです。


これにより、種目別の特性に合わせたオリジナルのブーツをカスタマイズすることが可能となります。
たとえば、アッパーカフを外側に向けてエッジのかかりを良くするとロング系の種目に効果を発揮します。
またストレートにセットし、ズレのコントロール性を引き出すとショート系種目でのパフォーマンス向上が期待できます。
ただしアッパーを内向きにするセッティングは要検討で、今後機会を見て試していきます。

 

個人的にはこのモデルのアッパーの高さは、非常に日本人が足首を入れやすいバランスでセッティングされていると感じます。

氷河の大斜面を力強いターンで滑る吉田勝大

2年目を迎えさらに熟成が進んだ『RC4ポディウム』シェル硬度は150の他に130 110がある

『RC4 ポディウム』のカタログはこちらから