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CROCスキーを知っていますか?

冬季ユニバーシアード大会の女子GSで安藤麻に次ぐ銀メダルを獲得したデシリー・アイレック(スロヴェニア)ですが、彼女がはいているスキーはCROC SKI というブランド。クロック スキーと読むのでしょうか。今シーズン、レース会場で少しずつ目につくようになった新しいブランドです。 ワールドカップではアメリカのベテラン、ティム・ジトロフが今季から使い始め、これまでGS3レースでワールドカップポイントを獲得しています。ワールドカップの上位選手の間では、まだまだマイナーな存在ですが、ヨーロッパカップやFISレースに行くと、それなりの使用率を持っているようです。ユニバーシアードの映像を見ても、画面にはしばしばCROC SKIのロゴが映っていました。

アメリカのベテランGSスペシャリスト、ティム・ジトロフ 写真はアルタ・バディアのGS第4戦

ワールドカップに話を戻すと、たとえばシュラドミングのナイトスラロームでは3人の選手が使用していました。いずれもスタート順40番以降の若い選手です。そのひとり、ブルガリアのKai ALAERTS という選手にたまたま話を聞くことができたのですが、 「すごく良いスキーだ。レーシングサービスにも力を入れているので、とても助かっている。まだ新しいブランドだが、どんどん良くなっているよ。とくにGS用のスキーがすごくいいんだ」とベタ褒め。契約ブランドですから悪く言うことはないでしょうが、素直に気に入っている様子でした。

クロックスキーの本拠地はオーストリアのミッタージル。ブリザードの工場があることで知られる町ですが、彼が言うにはクロックはブリザードの古い工場で作られているそうです。そしてフィンランドの資本も入っているのだと教えてくれました。 調べてみると、創業は2015年の5月ですから、今年でまだ2回目の冬ということになります。スキーの他にバイク(自転車)がプロダクトの柱。スキーではオールマウンテンモデルも展開していますが、中心はあくまでレーシングです。面白いのはマスターズ向けのラインを設けていることで、このへんはさすがオーストリアということでしょうか。 アメリカ、フィンランド、スロヴェニアなどのスキープールに入っていますが、オーストリアのプールにはまだ参入できていないようです。前述のジトロフは別格として、現在は若い選手を中心に供給し、彼らの成長とともに、ブランドとしての力を付けていこうという戦略だと思われます。

まだまだ無名ですし、そのパフォーマンスについても未知数です。ワールドカップで活躍するのは簡単なことではないでしょうが、アルペンスキー界に新しい風を吹き込むことができるのか、ちょっと気になるブランドと言えるでしょう。

シュラドミングで話を聞いたブルガリアの選手とそのサービスマン(?)




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