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大越龍之介HEAD Worldcup Rebels に加入

あとしばらくすると(中央ヨーロッパ時間9月4日午後8時15分:日本時間9月5日午前3時15分)に、オーストリアではマルセル・ヒルシャーの記者会見が始まります。 おそらく、そこでヒルシャー自身の言葉で競技生活からの引退が発表されることでしょう。 これについては、現地からの情報を整理した段階でまた改めてお伝えしたいと思います。 一方同じ9月4日、日本でも興味深い記者会見が行なわれました。大越龍之介(東急リゾートサービス)が、HEADとマテリアル(スキー、ブーツ、バインディング)の使用契約を締結。そのお披露目が、東京神田神保町のHEADジャパン本社ビルで開催されたのです。 大越は過去2シーズン連続してウェンゲンのワールドカップ・スラロームで入賞しています。一昨シーズンが19位、昨シーズンが22位。ともに50番、60番台という遅いスタート順からの上位進出です。この2年間男子でワールドカップポイントを取った日本選手は彼ひとり。もちろん、本当のエースと呼ぶにはまだもの足りない成績ですが、現在の日本チームにあって、もっとも世界の頂点に近い位置にいるのは大越と言って良いでしょう。

昨シーズンまでの5年間は、ブリザード+テクニカで戦っていた大越。ナショナルチームを外れていた時期を含め、手厚いサポートで支えてもらった同社には深く感謝しつつ、今季からはHEADという新たなパートナーとともに、より高いレベルを目指して戦うことになりました。

HEADを新しいパートナーにさらに高いレベルを目指す大越龍之介。左はHEADジャパンの関口千人社長

以下は、会見での質疑応答の模様です。 Q HEADへの移籍の経緯について A 昨シーズンの終盤、ワールドカップが終わった頃から移籍について考え始めた。ただ、それにはきちんとテストをして納得したうえで決断するというのが大前提。8月始めから約1カ月間、ニュージーランド、オーストラリア遠征を行なったが、この間にテストを行ない、最終的にHEADを選ぶことになった。 Q テストしたブランドは A ヘッドとブリザード。 Q テストの内容について A 昨シーズンまで日本チームのコーチだった安食真治さんにサポートしてもらった。さらに現地では、ニュージーランドのナショナルチームと一緒にトレーニングしたので、そのなかでしっかりテストができた。 Q テストの結果次第では、マテリアルを変えないという選択肢もあったのか? A そうだ。 Q ではヘッドを選んだ決め手となったのは? A 基本的には自分の感覚とタイムを照らし合わせながら、ヘッドとブリザードを比べた。最終的な決め手は、自分の感覚にしっくり来たことだが、もうひとつ大きかったのは、子どもの頃からずっと自分のスキーを見てくれていた地元ニセコの花園レーシングの寺田コーチに背中を押してもらったこと。ニュージランドでの映像を送って見てもらい「龍之介にはヘッドの方が合っていると思う」という言葉で決心がついた。 Q ヘッドのスキーの特徴は? A 一番感じたのは操作性の良さ。どんな条件でも扱いやすく、そのうえで硬いところでもしっかり雪面をとらえる強さを感じた。 Q テストしたのは何タイプ? A スラロームが2タイプで、GSは1タイプ。ただし、細かいセッティングは50通りくらいあって、そのなかでベストの組み合わせを探した。今回はいたのはテスト用のスキーだが、ヘッド本社にはすでにシーズンに使うモデルが用意されているので、今後のトレーニングでさらにセッティングを詰めていきたい。 Q 今回の遠征では、レースにも出場したが A ニュージランド選手権(FISレース)と、オーストラリア・ニュージーランドカップ(コンチネンタルカップ)、全部で6レースに出た。ただ今回は勝負するというよりも、実戦のなかでマテリアルをチェックするということに主眼をおいていたので、順位やポイントはそれほど重要ではないと思っている。


ニュージーランドでの大越龍之介(写真:HEADジャパン)

Q 夏の遠征で、ヨーロッパではなく、南半球を選んだ理由は? A この時期のヨーロッパのトレーニング地はどこも氷河スキー場になるので、標高はほぼ3000m以上。でも南半球は冬なので、それほど標高が高くないところで滑れる。練習効率の点ではやはりニュージーランドが優れているし、さらにレースに出られるというのも大きなメリットだ。 Q 今後のスケジュールについて A ニュージーランドからは昨日(9月3日)帰ってきて、次は10日に出発。今度はヨーロッパで最初はサースフェー(スイス)の氷河で全日本チームの合宿に合流する。その後は条件の良い場所を選びながらワールドカップのスラローム第1戦(11月24日 レヴィ/フィンランド)に向けて調整していく。


今季の日本チームメンバーでは、他に小山陽平(日本体育大学)、向川桜子(秋田ゼロックス)、荒井美桜(サンミリオン)がHEAD REBELSだ(写真:HEADジャパン)

現状では、スラロームを中心に技術系種目を戦っている大越ですが、ひそかに高速系種目(ダウンヒル、スーパーG)への進出も考えているそうです。 「スラローム、GSだけでなく、ヘッドの最大の強みである高速系種目にも挑戦してみたい。まだ具体的にどうこう言える段階ではないが、もともと好きなので、これを機に積極的にチャンスを探っていきたい」と意欲を見せています。

ワールドカップでは長年に渡ってNo.1ファクトリーチームの座を守っているヘッド。最強チームåHEAD WORLDCUP REBELSに加わったことで、今季の大越龍之介がどんな活躍を見せるのか。期待を込めて注目していきたいと思います。

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