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波紋を呼ぶテッド・リガティのツイート

November 2, 2017

吹き荒れる風雪のため、残念ながらキャンセルとなってしまった男子GS開幕戦。前日から嵐の襲来が予想され、その通り夜半から大荒れとなったセルデンのレッテンバッハ氷河ですから、選手や観客の安全を考えれば、中止の判断も仕方がなかったといえるでしょう。

 

中止が決まったのが午前6時45分。レース開始予定時刻は10時だったので、その3時間以上も前に早々と決定されました。したがって多くの関係者は氷河まで上がらず、山に向かう車のなかや宿舎でそれを知ることができました。無駄なエネルギーを使わずにすんだという意味では、素早くかつ正しい判断だったわけです。通常、天候の理由でレースがキャンセルされる時は、30分から1時間単位でスタート時刻を遅らせて回復を待ち、数度の延期を繰り返した後に決定が下されます。そのため荒れた天候の中、レース関係者はレース実行に向けて辛い仕事が続き、一方観客は長時間に渡って待ちぼうけ。そんな苦行のあげくにレースが中止になると、みんながっくりと来て、精神的にも肉体的にも消耗が激しいものです。したがってこの日のすばやい判断は、おおむね好意的に受け取られていたような気がします。
 

ところが、このキャンセルに猛然と異議を唱えているのがテッド・リガティ(アメリカ)です。彼は、中止が決まった直後からツイッターに連続投稿。“早すぎる中止決定”に激しく噛み付いています。
「午前6時45分に中止を決めてしまうなんて奇妙だ。彼ら(地元オーストリアの意味)の最大のスター選手(マルセル・ヒルシャーを指している)が怪我をしているからかな…」
「たしかに天候はひどかった。でもオーストリアスキー連盟の会長が前日から「明日のレースは中止になる」などと発言するのは、怪しいな。何か臭うぞ」とかなり過激な発言を連発しました。

 

 開幕戦への意気込みを語るテッド・リガティ(アメリカ)


要するにリガティは、こんなにあっさりと中止を決めたのはおかしい。中止にするにしても、ギリギリまで実行の道を探るべきで、それをしなかったのは、怪我で欠場するマルセル・ヒルシャーが有利になるような政治的な判断だったと言いたいのでしょう。レースが中止になれば、ヒルシャー同様、他のライバルも1ポイントも稼げなくなり、ヒルシャーの怪我による欠場の影響がなくなるからです。
FIS(国際スキー連盟)の規定では、開幕戦の場合、中止となっても代替レースは行なわず、そのままレースは中止となります。したがってワールドカップの男子GSは、ヒルシャーが復帰予定のビーヴァー・クリーク(12月3日)が第1戦。彼が休まなければならないGSレースは、ひとつもなくなるわけなのです。

リガティが言うように、前日の土曜日の段階ですでに「日曜日の男子GSは中止になる」という雰囲気が濃厚だったのは事実です。たとえばわれわれコース上で写真を撮るカメラマンは、スキーとブーツを日曜日まで山に置きっぱなしにするのですが、今回は「明日は多分中止になるから、今日のうちに荷物を全部降ろしておけ」という通達が出ました。
「天気予報はあくまで予報であって100%正しいわけではない」とリガティは言いますが、今回の場合は、ほぼ100%に近い確率で、はっきりと予想されていたのでしょう。
結果的には、そのおかげで私は日曜日に「スキーとブーツを引き揚げるためだけに」山に上がる必要がなく、平穏な1日を過ごすことができました。

 

 セルデンでは過去4回の優勝を記録しているテッド・リガティ(アメリカ)



それはともかく、リガティの“陰謀論”は思わぬ反響を呼びました。暗にやり玉にあげられたマルセル・ヒルシャーは、インタビューに答えて
「テッドの論理はおかしい。氷河の映像を見れば、中止の決定が正しかったのは明らかだ」と一笑に付しました。「結果はたしかに僕に有利となったが、それとこれは別問題だ」
また、同じオーストリアのマニュエル・フェラーはフェイスブックでこう辛辣に反論しています。
「テッド、あなたをとても尊敬しているし、あなたは僕にとって一番のロールモデルだ。でもあなたのお母さんは“ウソをついてはいけない”と教えなかったのだろうか」

そんなわけで思いがけず場外バトルに発展した男子GSの中止判断ですが、実際セルデンにいた人間として言えば、今回のバトルはリガティの分が悪いという気がします。
2年間に渡る怪我との戦いを乗り越え、ワールドカップに戻ってきたテッド・リガティ。過去4回優勝しているセルデンのコースだけに、意気込みが強すぎてしまったのでしょうか。そして、それほどまで気合が入ったということは、彼が今自分の滑りにとても自信があるということなのでしょうか。

 

いずれにしても、これでビーヴァー・クリークのGS第1戦が、ますますヒートアップすることはたしかでしょう。







 

 

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